太田光と松本人志はどちらが天才なのか?

映画・テレビ

筆者にとっての太田光と松本人志

お笑い界の大御所で天才と言えば諸説ありますが、個人的にはダウンタウンの松本人志と爆笑問題の太田光です。

ダウンタウンは笑いの潮流を一新し、爆笑問題は政治や学問などの番組を持つ等他の分野への進出に成功したという面で、これら2コンビはお笑いの歴史の中でも特筆すべき存在と言えるでしょう。

今回はその中でもネタ作り及びボケを担当している松本さんと太田さんについて、個人的にやってみたかった比較を行っていこうと思います。

『太田上田』との出会い

【太田上田#235】傑作映画について語りました

20代である筆者は最近、爆笑問題の太田さんにハマってます。

というのも中京テレビ放映のフリートーク番組である『太田上田』にドハマりしているからです。

Youtubeでも一部番組が切り取りで解禁されていますが、これがまた面白い。

『ボキャブラ天国』以来懇意にしている太田光さんとくりぃむしちゅーの上田晋也さんの信頼関係をベースに、普段はふざけるだけに徹している太田さんが真面目にトークしている番組は、現在放映されているものではコレだけでしょう。

今や日本一の司会者との呼び声も高い上田さんが的確に受け止めて落としてあげる安定感も見どころの一つです。

紳助さんもmisonoのYoutubeチャンネルで「上田が面白すぎるからテレビ見られへんねん」と彼なりの褒め言葉で上田を絶賛していましたね。

Youtubeで『太田上田』は一部しか観れませんが、Huluではフルバージョンが観られるので筆者も思わず登録して観ちゃっています。

『太田上田』にハマった人は、この番組のためだけにHuluに登録する価値があると思うので是非チェックしてみてください。

『ガキの使い』の松本人志

台風直撃

筆者にとっての松本人志は『ガキの使いやあらへんで』に他なりません。

というのも年末の『笑ってはいけない』ではなく、日曜深夜にやっている30分のレギュラーが好きなのです。

お笑い芸人が楽屋でガキ使メンバーを笑わせる芸をする『七変化』企画、無断アップロードがきっかけで世界的にもウケた『サイレント図書館』企画、パーソナルな質問を当てる『クイズ100のコト』企画、ココリコ田中が倫理観を失う『破天荒』企画、ゲストが喜ぶプレゼントを贈る『どうせお前こんなもの好きなんやろ選手権』企画、夜ヒットをモチーフに形態模写をする『口パクヒットスタジオ』企画など、しょうもなく面白いシリーズが盛りだくさんです。

そして何より90年代~00年代前半頃までやっていた浜田雅功さんとの二人で繰り広げられるフリートークが大好きで、Youtubeに(無断)アップロードされている動画を漁って観続けていたことを思い出します。

台風直撃、3月は寒いから、クリームパンになれた、松井に贈るカキクケコ、桑田佳祐ものまね、飼いゴリラ、沖縄ソングがオルゴールだった話など、松ちゃんの”くだらない”トークが非常に面白く「ああこれは芸人がこぞって尊敬するわけだ」というのがよく分かります。

Wikipediaで改めて番組について調べましたが、この番組1989年からやってるんですね。

筆者の生まれる前からやっており、一貫して企画にかかわり続けている松ちゃんの才能は底知れないなあと思いつつこの番組を観ています。

20代視聴者にとっての太田光と松本人志

筆者は若い世代の中では比較的爆笑問題とダウンタウンに親しみのある人間だと思いますが、実際普通の20代視聴者にとっては「よくテレビで観る人」くらいの認識にとどまっている人も多いかと思います。

爆笑問題は今も時々漫才はやっていますが、ダウンタウンはいわゆる漫才はもうやらなくなりましたからね。

爆笑問題は「ネズミの人」

アララの呪文

多くの20代にとって、爆笑問題との出会いはポンキッキーズでやっていた「爆チュー問題」と言えるでしょう。

相方の田中裕二さんと共にネズミに扮したキャラクターでコントや面白い事をやるような人たちという認識が強いのではないでしょうか。

特に『ちびまる子ちゃん』のエンディングソングとして一時期使われていた「アララの呪文」は今でも口ずさめる人は多いと思います。

2000年代はその他にも『太田総理』や『爆問学問』など教養チックな番組も多く手掛けていた印象ですが、今の20代は当時学生だったこともあり、あまり親しみを持って観ていた人は少ないかもしれません。

あるとすればお笑い番組の『検索ちゃん』や『笑っていいとも』、ワイドショーの『サンデージャポン』で少し知ってるかなという感じでしょうか。

その中でも太田さんが特にふざけたり下ネタを言ったりするので、中には「見ちゃいけない人」という形でNGだった視聴者もいるかもしれません(笑)

今の20代はお笑いと言えば『エンタの神様』の世代なので、それに出演するには世代的に上過ぎた爆笑問題は「ザ・芸人」という印象は薄いと思います。

勿論年末や特番では相変わらず面白い時事ネタ漫才を披露しているので「ああこの人たち漫才師だったんだ」と再認識する機会は多いですが。

ダウンタウンは「MCコンビの人」

爆笑問題は時々漫才をテレビでも披露していることもあり漫才師である認識は多少なりともあるかもしれませんが、ダウンタウンに関してはそのような印象は皆無です。

自分たちの父親・母親の世代だと『ごっつええ感じ』の印象が強く、もう少しツウの人だと『4時ですよーだ』や『夢で逢えたら』の時代からファンだったという人が多いようですが、今の20代は勿論知りません。

むしろ『HEY! HEY! HEY!』や『ダウンタウンDX』をはじめ、様々な番組でコンビあるいは一人でMCをやっている大御所という印象でしょう。

そして年末の『笑ってはいけない』でケツをしばかれている人、という(笑)

最近では『水曜日のダウンタウン』がヒット番組になっており、多くのYoutuberがパロディ企画をやっていたりもするのでむしろそのイメージが強いかもしれません。

個人的には『リンカーン』や『アカン警察』が好きだったので、そこでバカやってる芸人コンビというイメージです。

その中でも松ちゃんは『IPPONグランプリ』や『すべらない話』などあくまで「お笑い」というジャンルでの深掘り番組を手掛け、浜ちゃんは『ぷればと!』や『ジャンクSports』など多岐にわたって番組を手掛けている印象は持っていると思います。

爆笑問題よりもテレビへの露出度が高いうえに、若い人にも分かりやすく面白い番組を多く持っているので、ダウンタウンへの親しみの方が強いかもしれませんね。

10代はダウンタウン、20代は爆笑問題

上述の通り、今の20代(1990年代生まれ)からするとダウンタウンと爆笑問題というのはあくまで大御所のおじさん扱いであり、かつてはオードリーやNON STYLEのような漫才師であったという印象は薄いと思います。

その中でもダウンタウンのお笑いは比較的分かりやすいので、10代でテレビを本格的に観出す頃に親しみが湧いた人は多かったと思います。

しかし20代に入り社会のことがそこそこ分かってくると、ダウンタウンのシンプルな笑いのほかにも爆笑問題のような「少し知識や教養があると更に楽しめる笑い」への理解も深まってくるようになります。

特に時事ネタというのは年を重ねていった方が面白く感じられるところもあるので、20代になってくると段々爆笑問題の良さが分かるようになった人も多いと思います。

太田光と松本人志の確執は誰も知らない

お笑い界で長らく天才と言われてきた太田さんと松本さんですが、彼らがかつて共演NGレベルを超えた確執があったのを知っている20代の人はほとんどいないと思います。

2014年の『笑っていいとも』最終回でとんねるずやウッチャンナンチャンと共にダウンタウンと爆笑問題が共演しましたが、これをそこまで「大事件」のように感じられなかったのはそのせいでしょう。

勿論メンツがヤバすぎるという意味での「大事件」であるのは言うまでもないですが。

そもそも松本と太田の確執は、20年以上前にまで遡る。当時、爆笑問題は情報雑誌にコラムを連載していたのだが、そこで“芸人が流行りの服を着ているのはダサい”と、雑誌にトレーニングウェア姿で登場していた松本を批判。さらに「アディダスの広告塔みたいなもの。あの無神経さは信じられない」と毒づいた。

当時の一部週刊誌によると、このコラムを目にした松本は大激怒し「すぐに2人を呼べ」とスタッフに命令。そして爆笑問題の2人は、彼の仕事場に駆けつけたという。そして震え上がる2人に松本は「俺のことには触れんときいな」と声を荒げ、「お前らに問題を出す。いますぐ答えてみい。1、いますぐ芸能界を去る。2、ここにあるパイプ椅子で殴られる。3、この場で土下座せい」と謝罪を迫ったとのこと。すると彼らは額を地べたに擦り付けたという。

事件の真偽は不明ではあるが、この記事内容の衝撃度からか、松本と太田の不仲説は瞬く間に世間へ広まった。そして芸能界においても、2人は共演NGが当たり前という状況になっていったのである。

https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_34687/

要は太田さんがいつものように同業者に噛みついたら松本さんが思いのほか激高してしまったということなのですが、既に若い人たちはこのことを知らないのです。

単に冠番組を持つような大御所同士だから別に共演する必要もないか、という程度のことだと思っている人も多いと思います。

事情を知らない世代からすると確執の原因も「しょうもないな」と思えてしまいますが、後日『ワイドなショー』で松本さんがおっしゃっていたように、当時は「刺すか刺されるか」という殺気立っていたのがお笑い界だったらしいので、その一つとしてのこの確執が生まれたのでしょう。

ちなみにダウンタウンも爆笑問題もお笑い第三世代と言われる人たちですが、太田さんは他にも同世代だとウッチャンナンチャン・浅草キッド・ホンジャマカにも噛みついています(笑)

今の「よくデキた」若手が賑わしているテレビ状況しか知らない20代の筆者からすると、このように殺気立ったかつてのお笑い界というのを少し見てみたかったという羨ましさすらありますが。

太田光と松本人志の起源の違い

筆者のたどり着いた情報ベースですが、筆者なりに彼ら二人のパーソナリティの違いが出るような項目でプロフィールを纏めてみました。

幼少期の家庭環境【松本人志】

チキンライス / 浜田雅功と槇原敬之

番組で時々語っているように、松本さんの幼少期は非常に貧乏だったらしいです。

その実体験をベースに歌詞を綴ったのが2004年の『チキンライス』。

相方の浜田さんが歌唱し、作曲は『どんなときも。』や『世界に一つだけの花』で有名な槇原敬之さん。

自分にとってクリスマスソングと言えば『戦場のメリークリスマス』かこの『チキンライス』です。

天才・松本人志の底力を知ることのできる良い歌詞です。

折角のクリスマスという記念日にもかかわらず、子供だった松本さんは家庭の経済状況に気を遣って安価なチキンライスを頼んでいたのかもしれません。

それほどにお金がなく、ひもじい思いをした家庭環境があったからこそ、松本さんのお笑いのパワーは強いのかもしれません。

幼少期の家庭環境【太田光】

気狂いピエロ

一方で太田さんはどうかと言えば、割と中流インテリの家庭育ちなのです。

ここが一つ彼らの芸風や性格の違いだと思います。

太田さんは自分自身では「学がない」と卑下しますが、太田さんのフリートークや情熱大陸などを観ていると「教養人だな」と感じる機会は多いです。

トーク番組での情報ベースですが、太田さんのお父様は建築業者として自営業をしていたらしく、ある程度の纏まった収入があったようです(会社名は「三光社」と言います)。

太平洋戦争を経験している世代なので食事には人一倍こだわりがあり「子供にはより美味しいものを食わせたい」という信念から、松茸ご飯や何やら御馳走が連日続くような家庭だったとのこと。

一人っ子のため教育費はかからなかったのかもしれませんが、少なくとも貧乏家庭でなかったことは明らかです。

お母様も元々女優を目指していたようなオシャレな方で、週末はママ友とカフェで談笑したり、息子にブランド物を着せて学校に行かせたりと、中々ハイカラな人だったようです。

こういった経済的余裕があったからこそ、現在の爆笑問題の根底に通ずる「余裕のあるインテリコンビ」という価値観が形成されたのかもしれません。

多感な青春時代【松本人志】

AMEMIYA ダウンタウンに捧げる歌

人格形成は幼少期の家庭環境は勿論のこと、ティーンエイジャーの頃の恋愛や友情経験で8割以上が決定するようなものです。

その中で松本さんは比較的モテてきた人種と言え、中学時代から高校時代まで継続して彼女がいたとのことです。

友達も多く時には悪いことをして停学になったこともあるようですが、異性にも友人にも恵まれた10代を過ごせたと言って間違いないでしょう。

小中学校の同級生として相方の浜田さんは勿論のこと、後にダウンタウンの多くの番組を手掛けることになる放送作家の高須光聖さんもいらっしゃるのは有名な話です。

『HEY! HEY! HEY!』で以前「冷やし中華はじめました」で有名なAMEMIYAさんがダウンタウンの青春時代を描写したコンビ愛の曲を歌っているので聴いてみてください。

多感な青春時代【太田光】

神田伯山視点の松本人志と太田光

一方太田さんはと言えば、進学先の大東文化大附属高校では1人も友達が出来なかったとのこと。

演劇部に所属してはいたようですが、男子校なので勿論彼女もできず鬱屈とした毎日を過ごしていたと言います。

それでいて高校時代は皆勤賞だったようなので鋼のメンタルの持ち主であることは変わりはないですが(笑)

以前川崎市の凄惨な殺傷事件が起こった際、自殺した犯人に対して太田さんが残したコメントはこの頃の深い孤独の闇の時代を経験したからこそ出てきた言葉だと言えるでしょう。

※筆者により一部加筆修正

■松本人志

「人間が生まれてくる中で、この犯人ののように何万個に1個の『不良品』が出てくるのは仕方ない。それをみんなの努力で何百万個や何千万個に1個にしていくことができれば良いと思う。わざわざ罪のない他人を巻き込むのではなく、そういった不良品の人たち同士でやり合ってほしい」

■太田光

「他人を巻き込まず一人で死ねというのは尤もな意見だが、この犯人は自分の命も軽視しているからこそ最後に大きなことをして死のうと思ったのだろう。こういった心境には誰しも陥る可能性はあって、俺も高校生の頃に何も感動しなくなったことがある。自分の命がどうでもよくなると他人なんて尚更どうでも良くなる。そんなときにふと訪れた美術展でピカソの絵を観た時に感動が戻ってきた。『俺にまだ感動できる心があるっていうなら自分も捨てたもんじゃないな』と思えて、そうなると他人のことも大切に思えるようになる。だからこそ、俺は犯人のような心境のすぐ近くにいると思うし『死にたいな』と思っている人は、そこから復活する材料がすぐ近くにあることを知ってほしいと思う」

https://www.youtube.com/watch?v=pU2tRpRg4Y8&t=878s

この動画自体、やや太田さん寄りの編集をされているなというようには感じますが、少なくとも松本さんは世間一般の見方の代弁、太田さんは弱い者の代弁と見ることはできるでしょう。

これはおそらく青春時代に経験した闇の有無に由来するものだと思うのです。

勿論松本さんは幼少期に家庭が貧乏だったというのは一種のコンプレックスになっているのは間違いなく、それは彼にとっての闇なのかもしれません。

ただそれはある意味で分かりやすい闇であり、ややもすれば分かりやすく「ハングリー精神」というものに繋がってくるわけです。

おカネを稼がない限りは食べていけなくなるわけですから。

だからこそ松本さん自身は泥水すすってた頃から這い上がって成功した自分に圧倒的な自信を持っており、いい意味でどこか「成り上がり」感を覚えます。

貧乏からお金持ちへというのは矢沢永吉さんの『成り上がり』に通ずる価値観です。

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ワイドなショーを観ていても時々この”勝者”の論理での話が多く感じるのはこのためでしょう。

対照的に太田さんの場合はある意味で「贅沢な悩み」なわけです。

別に友達がいなくたって命を取られるわけではありません。

10代の頃に彼女がいなくたって別に結婚して幸せになっている人は多くいます。

しかし太田さんにとってはそこが強烈なコンプレックスになっているわけです。

少年期から太宰治や三島由紀夫といった文学作品にも多く親しんできている太田さんだからこそ、こういった内向的な孤独感や絶望感というものはそのまま死に繋がるものだったと言えます。

日本が比較的裕福になったと言われる今、単純に貧乏で苦しんでいる人に比べて人間関係での悩みや疎外感をで苦しんでいる人の割合は相対的に上がってきていると思います(特にこの太田さんの発言はネット上で共感を呼んだわけですが、ネット空間に生きる人々の多くは後者の「贅沢な悩み」を持っている人と言えます)。

お二方の優劣は全く付けられるものではありませんが、この事件に関してのコメントは何となく彼らのバックグランドが象徴的に出ているなあと筆者は思うわけであります。

影響を受けた人物【松本人志】

ダウンタウン「紳助・竜介の漫才をテープに録音して何度も練習した」 島田紳助への想いを告白

彼らが直接お笑い界から影響を受けた人物の比較も対照的です。

松本さんは何を言おう「紳助竜介」の影響でお笑いを始めたことは有名です。

特に島田紳助さんからの影響は計り知れないと思います。

以前『ダウンタウンなう』で丸山弁護士が出演した際、松本さんがポロっと「あの人(紳助さん)がいなかったら僕はいないですから」と口にしています。

ダウンタウンは紳助竜介の漫才をカセットテープに録音して何回も練習したと言いますから、松本さんにとっては原点ともいえる芸人さんだったと言えます。

そしてNSC(吉本の芸人養成所)時代にネタ見せをしたところ、明石家さんまさん・オール巨人阪神とともに紳助さんが「一組だけ面白い奴おったな」と後日メディアに明かしたのがダウンタウンでした。

当時漫才ブームで絶頂を極めていた紳助竜介が解散を決めたのも「ダウンタウンの漫才が面白すぎるから」だったというのは有名な話。

いずれダウンタウンが肩を並べる存在になった時に絶対に比べられるだろうしそれが嫌だったと紳助さんは語っています。

勿論多少の美談はあると思いますが、紳助さんの審美眼の確かさは素晴らしいと言えるでしょう。

不思議なものですが2000年からはそんな憧れの紳助さんと『松紳』というトーク番組を持つようになります。

内容は割と紳助さんのワンマンショーに近い回が多いですが、笑いのセンスが近い二人の番組は観ていて非常に楽しかった覚えがあります。

影響を受けた人物【太田光】

【太田上田#23】人生で一番緊張した瞬間について語りました

一方の太田さんはと言えば、ビートたけしと立川談志。

松本さんと同世代である太田さんがよく観ていたのはツービートの漫才だったと言います。

それまで「お笑い」と言うと演芸場でお年寄りに披露する時代遅れのものという認識だったのが、ツービートの登場により一躍脚光を浴びて漫才ブームが訪れます。

当時中高生だった太田さんにとって憧れの人がビートたけしさんになるのは自然なことだったのでしょう。

時事ネタ漫才が爆笑問題の根幹にあるのは間違いなくツービートの漫才を観たからだと言えると思います。

加えて1983年の『戦場のメリークリスマス』にたけしさんが出演したことで「お笑い芸人になれば映画にも出られるしマルチに活躍できるんだ」と思ったとのことで、現在の太田さんの活動に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。

もう一人影響を受けた人物を挙げるとすれば立川談志師匠。

『太田上田』でも談志師匠との出会いのエピソードについて語っており、太田節の効いた印象的なエピソードトークになっています。

お笑いに加えて落語への造詣も深かった太田さんだからこそ、立川談志師匠からの影響は大きく受けていると考えられます。

この影響を受けた人物を見ても、松本さんと太田さんのカラーの違いが見て取れますね。

松本さんが影響受けた紳助さんは学生時代生粋の不良で高校卒業後にお笑いの門を叩いたという点について、松本さんと少し重なります。

松本さんも紳助さんも学歴的には高卒ですが、学歴に現れない賢さを持っておられる方であると言えますね。

一方太田さんの影響を受けたビートたけしさんは数学好きの明治大学中退、立川談志師匠は教養を必要とする落語出身の人物です。

中退ながら日大芸術学部出身の太田さんとやや重なる人たちであると言えます。

一般大衆ウケするのは圧倒的にダウンタウンの笑いだと思いますが、ちょっと捻りの効いた知識人的ジョークを振りかざす爆笑問題の笑いは大人ウケのする笑いなような感じがします。

好きな音楽【松本人志】

↑THE HIGH-LOWS↓ 日曜日よりの使者

個人的に注目したいのは好きな音楽。

松本さんがブルーハーツ好きなのは有名な話で、本格的に東京進出する前の東京・大阪間の往復ではずっとブルーハーツを聴いていたと言います。

『4時ですよーだ』で『トレイントレイン』や『人にやさしく』を披露したほか、最終回には『君のため』を号泣して歌っており、生粋のブルーハーツ好きと言えます。

それもあってか『ごっつええ感じ』に甲本ヒロトさんと真島昌利さんをゲスト出演させたり、ハイロウズ時代に『HEY! HEY! HEY!』に呼んだりと交流自体も徐々に始まります。

対する甲本ヒロトさんも精神的に落ち込んで自殺すら考えたことがあった時期に『ガキの使いやあらへんで』のダウンタウンのフリートークを何気なく観た際に、松本さんのテキトーなボケをみてゲラゲラ笑ったといい「俺、まだこんなに笑えるじゃん」と生きる気力を吹き返したと言います。

このエピソードがもとで名曲『日曜日よりの使者』が出来たことは有名で、今でも甲子園の吹奏楽などで頻繁に使用されています。

松本さんの結婚式にゲストで甲本さんが出席した際、記念にこの曲を歌ったというエピソードは鳥肌ものですね。

好きな音楽【太田光】

一方の太田さんは生粋のサザンオールスターズファンとして知られています。

桑田佳祐さんともメル友であることは有名で、新曲が発表されるたびに長文の感想を送るらしいです。

大学時代は相方の田中さんと江ノ島に訪れ、サザンの『海』を口ずさみながら湘南の美しい景色を一緒に観たというエピソードもあって微笑ましいですね。

シンプルで力強いメッセージが印象的なブルーハーツ、ちょっとオシャレで琴線に迫ってくるサザン。

両者のパーソナリティを深掘りしていくとこの音楽の好みになることも納得です。

太田光と松本人志はどちらが天才なのか?

というわけで表題の件に戻ってくるわけですが、個人的にはターゲットにしている層が全く違うと思います。

松本さんの笑いはハッキリ言うと「若い」笑い、あるいは「偏差値40の視聴者層にウケる」笑いとも言えるでしょう。

要はバカでもその場で楽しめる笑いなので、若者が飛びつきやすい笑いなのです。

育ってきた環境的にも学歴的な面ではそこまで恵まれてきたわけではなく、かつ憧れていた紳助竜介はツービートと比べて邪道漫才で若者にカルト的にウケた漫才コンビです。

こういった血が流れているわけですから誰が見てもわかりやすく、今でも若者を惹きつけるわけです。

実際にローテンポな漫才は当時若者には大ウケでこぞって今の芸人が影響を受けていますが、年齢層が高めの人たちには最初拒否感を持つことも多かったみたいです。

一方で太田さんの笑いは「社会を知った」笑い、あるいは「偏差値60の視聴者層にウケる」笑いと言えるでしょう。

学歴的には大学進学まで果たしており、しかも曲者しか入れない日大芸術学部です。

比較的裕福で幼少期から本や映画に親しんだある意味で「教養家庭」で育った太田さんから出てくる笑いは、比較的社会を知った高めの年齢層やインテリ大学生あたりに売れる笑いと言えます。

だからこそ松本さんよりもウケる範囲が狭く、ダウンタウンに比べると大衆向けの番組が少ないのでしょう。

時事ネタ漫才はある程度政治や社会に興味がないとクスっともできないですからね。

筆者も若い頃はダウンタウンのシンプルな笑いに惹かれ、段々年齢を重ねるにつれ爆笑問題の魅力を発見している状態なのでこの整理には違和感ありません。

よりファン層が広い松本さんの方が世の中的には「天才」と崇める人数は多いと思いますが、個人的には太田さんの魅力ももう少し世の中に周知されれば良いなという気持ちはあります。

爆笑問題とダウンタウンの共演について

爆笑問題とダウンタウンは上記の通り確執が囁かれていますが、2014年のいいともでの共演以来、徐々にお互いに言及する機会も増えてきており雪解けが進んできていると言えるでしょう。

特番で太田さんが「松本なんて大嫌いだ!」とネタで言ったことに対し、後日ワイドなショーで松本さんが「その場がウケたなら僕は全然大丈夫です(笑)」とコメントしたり、太田さんの妻である光代さんがダウンタウンDXに出演したり。。

むしろ確執の主な原因は太田さんと松本さんの間だけなのですから、例えば太田さんと浜田さんで何か特番をやってみるとか、そういったことがあったら良いのになと思うのは視聴者のわがままでしょうか。

いいとも最終回の際も浜田さんは太田さんに容赦なく突っ込んで頭を叩いたりしてますし、特に問題はないような気がします。

近い将来彼らが共演する機会を楽しみにして今回は筆をおくことにします。

お笑いに関する記事については随時更新しようと思うので、乞うご期待!

参考書籍

彼らの著作や影響を受けた作品について最後に纏めておこうと思います。

筆者自身も松本さんの『遺書』や太田さんの『日本原論』は読んだことがあり、非常に面白かったです。

著作関連

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映画関連

松本さん・太田さんが挙げた好きな映画について、2020年10月時点で各種サブスクリプションサービスで観られるものをテーブルで纏めています。

是非ご参考にしてみてください!

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