前回までの記事はコチラ。
今回はいよいよ3月の東大合格発表までの最終ストーリーを書いていきます。
高校3年秋(10~12月)
夏休みが終わり、秋風が少しずつ寒くなってきたこの時期。
最後の追い込み期間に入ってきた中で、僕は全体的な戦略においては東大過去問60%/センター試験過去問40%程度の割合で演習を進めていくことにしました。
(※2020年度よりセンター試験に代わり共通テストの導入が決まりましたが、結局全問マーク形式の問題とということなので、基本的な対策方法は変わらないと思います)
特別対策が違うことはありませんが、マーク形式に慣れるため、そして東大二次試験のための基礎チェックのため、センター試験(共通テスト)の勉強も手を抜かない方が良いと思います。
それでは前回同様に科目別に対策の詳細を見ていきましょう。
英語は東大模試の過去問で時間計測を開始
過去問は夏休み中に27か年を1周したものの、セクションごとに固めてやり込む形で使ったのもあり、時間計測をして通しで解いたことがなかったので、東大入試と同じような形式で演習ができる東大模試の過去問を使って勉強を進めることにしました。
東大二次試験の問題形式のオーソドックスなパターンとしては下記の通り。
この要領に則り、110分程度で解き終わり10分見直しという時間配分にになるよう意識してタイムアタックしていました。
設問1A:日本語要約(10分)
300~400 words前後の英文を読み、文全体の要旨を80字前後の日本語
設問1B:空欄補充(10分)
500 words前後の英文を読み、虫食いになっている個所に適切な英文を挿入。年度によって選択形式であったり自作で英文を考える必要があったりと様々
設問2A:英作文(10分)
写真や絵を見ながら状況について解説したり、登場人物のセリフを英作文を考えさせる場合が多い
設問2B:英作文(10分)
「●●は必要か否か」のようなシンプルなお題に対して、自分の意見を英作文で書かせる場合が多い
設問3:リスニング(30分)
A、B、Cともに記号選択問題が多いものの、時々空所補充を自力で書かせる問題なども存在。東大英語の中で最も易しい設問と言っていい
設問4A:正誤問題など(10分)
年度によってばらつきが大きいが、短い文章を読んだうえで正答を選ばせる問題が最近は多い印象
設問4B:和訳問題(10分)
短い文章を読んで下線部を和訳する問題が3題程度。直訳だと日本語的に違和感がある場合が多く、意訳と直訳のバランスが重要
設問5:長文読解(20分)
エッセイ調の文章であることが多く700~900 words前後の長文に対し、選択式及び記述式を絡めて5~6題前後出されるイメージ
時間配分としてはおおよそ上記のイメージです。
120分とはいえかなり時間は短く、開始50分前後でリスニングが始まり30分は拘束されるので(設問にザっと目を通しておいた方が良いので開始45分辺りで一旦切り上げてリスニングの設問を見ておいた方が良い)、実質筆記の時間で残っているのは90分程度。
サクサク進めていかないと間に合いません。
王道の解き方としては、記号選択問題は早めに解き、日本語で解答できる問題は後回しにすること。
記号は最悪判別つかなくても答えを書いておくだけで偶然当たる可能性もあるので、まず最優先で解きに行った方が良いと思います。
リスニング前の時間では、記号選択2題、英作文2題、あともう一題くらいが終わっていると、かなり余裕を持ってリスニングに挑めるはずです。
逆に中途半端に筆記の進みが遅いと、リスニング中も「ああ時間がない」と邪念が入り聞こえるものも聞こえなくなります。
リスニングを終えると残り時間が40分前後なので、残りは長文読解と要約くらいでしょうか。
場合によっては和訳が重い年度もあるので、和訳が残っていることもありますかね。
東大英語の長文読解はエッセイ調の文章が多く、説明文や論説のような明朗な文体というよりは、雰囲気を楽しむようなものがお題として出される印象があります。
勿論問題なので設問に答えなくてはいけませんが、おおよそ読んでいて結構楽しいと思います。
設問自体も下線部の単語の言い換え、内容として正しいものの選択、ちょっと変わった表現の部分和訳といった小出しの問題が多い印象で、難易度自体はリスニングに次ぐ優しさである場合が多いです。
要約については最悪5分前後あれば部分点は貰える程度には解けるので、究極かなり後回しで大丈夫です。
というのも説明文が出題されるので冒頭と結論をまず読んで、あとは指示記号になる接続詞や慣用表現(Thus、However、In Addition、On the other hand、etc.)を適当に追っかければ6割程度文意は読み取れるはずだからです。
あとはそれを日本語で適当に速記すれば滑り込みで部分点は貰えます。
夏までの基礎固めでベーシックな英語力の獲得や東大の過去問の傾向把握は済んでいると思うので、あとはいかに上記のタイムライン通りに問題を解き進めていけるかという点にだけフォーカスして二次試験対策は進めましょう。
また同時並行でセンター試験(共通テスト)の対策も基礎の再確認として進めていきましょう。
赤本1周をすると追試を含めて25年分程度の演習ができるので、1周はしておくと精神的にも安心です。
アクセントの問題についてはおそらくこれまでの勉強であまりカバーができていなかったと思いますが、これは年明け直前期にやればいいので後程解説します。
数学は過去問演習とプラチカの行ったり来たり
苦手意識のある数学ですが、過去問を通しで時間を測って解いたことは結果的にほとんどありませんでした。
というのも文系数学の場合4題で80分なので、1題あたり20分は掛けられる設定になっています。
4完できる人は稀で1~2問は「捨て問」が混じっている場合が多いので、結果的に取れる2題に時間を掛けて確実に得点するという戦略が僕にとってはフィットしました。
単純計算で1題40分掛けられることになるので、時間計測をする意味も薄いなと思い、まずはしっかり東大入試レベルの問題が解き切れるようにすることに注力していました。
もし過去問で解ききれない分野があるorもう少し視野を広げて対策しておきたいと思った際は、前の記事でも紹介した『プラチカ』に戻って対策をし直していました。
東大数学の中で比較的解きやすいとされているのは微分積分、次いで数列といった感じでしょうか。
微積に関しては数ⅡBまでの範囲だと難しくするにも限界があるので、時に基礎問題+αレベルのボーナス問題がでることもあります。
確実に解けるように準備しておきましょう。
ただ僕も微積に厚く張って対策していたのですが、僕の年度は微積の問題が出ませんでした。トホホ。。
二次試験の対策は上記で良いとして、少し気を付けた方が良いのはセンター試験(共通テスト)の対策。
ⅠAとⅡBに分かれて各60分ですが、どちらも大問は5つあり、時間が結構かつかつになります。
誘導に乗っていけば解ける問題がほとんどなので、うまく誘導に乗っかっていけば良いのですが、一旦どこかでつっかえると後が全滅ということも。
それでパニックになって残りの大問でも慌てるようなことがあると非常に勿体ないので、念のため10年分はセンター試験の過去問を解き、問題形式や出題の癖に慣れておくことをオススメします。
国語はセンター試験のやり込みと漢文対策
国語の二次試験対策という意味では、特別この時期はやり込む必要はないと思います。
というのも前の記事でも紹介した通り、現代文は得点を伸ばすのに限界があるため、同じ時間を割くなら別科目に割いた方が効率が良いからです。
それよりも鬼門になってくるのがセンター試験(共通テスト)です。
というのも国語のセンター試験は特徴的で、1問の配点が7~9点前後とかなり大きくなっているから。
1問間違うとかなりの点数ロスに繋がってしまうのがセンター国語なんですね。
だからこそできるだけ国語のセンター試験対策は時間を確保して進めた方が良いと思います。
これは結果として二次試験の対策にも繋がっていて、というのも「東大の二次試験の記述式解答」=「センター試験の正答」だからです。
言い換えればセンター試験の正答レベルの解答を二次試験で自力で書くことができれば、自ずと国語の点数は上がっていく可能性が高いということ。
その脳内シミュレーションもしながらセンター国語を解いていくと一石二鳥でしょう。
時間配分としては現代文(論説)20分、小説20分、古文20分、漢文20分で80分ちょうど。
傾向として古文か漢文で時間の貯蓄を作って、残りを現代文に充てることが多くなる気がするので、最初に古文・漢文から始めていくといいのではないかと思います。
時間のない人は赤本1周で良いと思いますが、センター試験での足切りを嫌った僕はマーク模試の過去問等にまで手を付けたので、結局50年分くらいを解いたことになります(笑)
ただ一点、漢文は夏までの対策では不十分に感じていました。
Z会の『句形とキーワード』をパラパラ読んでいた程度で全然対策ができていなかった節もあるので、漢文だけはセンター試験対策に加えてテコ入れをする必要性を感じました。
というわけで東大二次試験対策の総仕上げとして名高い河合の『漢文道場』を用いてちゃちゃっと漢文のレベルを上げていくことにしました。
口コミでも結構評判のいい問題集ですが、冊子自体は薄い一方で問題の内容はかなりハイレベルな入試問題を引っ張ってきているので、やりごたえのある問題集と言えるでしょう。
逆にこれくらい薄い方がすぐに終わって達成感も生まれやすいので、ちょうどいいのかもしれません。
日本史は東大模試の過去問と単語の抜け漏れチェック
日本史は得意科目なので本来は後回しで良いのですが、まあ好きな科目というのは自然と手が伸びるもので、気分が乗らないときは東大模試の過去問を解いていました。
個人的には河合の日本史の問題より駿台の方が好きだったので、駿台の模試をずっとやっていました。
引き続き臨海セミナーの授業は受講していたので、その予習・復習をするだけでも十分でしたが。
11月頃からはセンター試験向けの対策として、過去問のほかに『スピードマスター』や『一問一答』に取り組んで単語の抜け漏れがないように注意しました。
私大を受ける場合は重箱の隅をつくような細かい単語問題も出たりするのでその対策にもなりますし、何より知識がないと東大二次試験で良い回答が作れません。
東大二次の日本史はガイド文を要約すれば良いと言われがちですが、+αでどれだけ固有の歴史単語(国司の徴税請負人化、貨幣経済の浸透、守護地頭、荘園領主、惣村、村請制、寄生地主等は死ぬほど書いた覚えがあります)を入れられるかが重要になるでしょう。
センター試験の過去問は1周やれば十分なので、あとはひたすら単語をしらみつぶしに当たって抜け漏れをなくす作業を徹底してください。
地理は再度資料集を眺める生活
地理については割と夏の短時間で点数が伸びたので、少し優先度を落として時間のある時に地図帳を眺める程度に留めていました。
取捨選択の問題かもしれませんが、センター試験の地理も国語と同様に点数が伸びにくい領域です。
だいたい80点台に落ち着く人が多いのではないでしょうかね。
そういった背景も踏まえると、地理にこれ以上あまり時間を割きすぎるのは得策ではないと判断しました。
後になって少し不安になったのもあって河合のマーク模試の過去問を数年分やりましたが、個人的にはこれで十分だった気がします。
理科(化学基礎/生物基礎)は基礎問題集から
さてそろそろ手を付けないとセンター試験に間に合わないかなという思いもあったので、地理を削った分理科に時間を回すことにしました。
僕の世代から●●基礎2科目(各50点)を選択すれば理科として認定されるようなシステムに変わったので、実質的に純粋な過去問は存在しない不安はありました。
ただ所詮それは学習指導要領の細かい話なので、本質的な部分は変わりません。
というわけで市販の『生物基礎』『化学基礎』と銘打った適当な穴埋めの問題集をやり、あとは駿台の予想問題集を数周するくらいで対策は終えました。
僕の使っていた問題集はなぜか絶版になっているようなので(笑)、代わりに使えそうなものをいくつかピックアップしておきます。
この中からであれば基本何を選んでもいいので、後は直感に任せて買っちゃってください。
皆さんの世代だと本試験の過去問やマーク模試の過去問があると思うので、最終仕上げはそういったものを数年やれば十分です。
あくまでセンター試験(共通テスト)突破のための科目なので、くれぐれもやり過ぎないように。
秋の東大模試!結果は…
10月頃に駿台と河合の東大模試が通例では開催されます。
僕も勿論受験しました。
結果としては駿台がC/E、河合がC/Dでした。
夏よりはワンランク上がった結果となります。
この短時間の追い込みでここまで結果が伴っているので、順調な成長カーブを描けばピークは東大本番あたりに来そうな予感がしましたね。
勿論C判定程度では何も安心できるものはありませんでしたが、時間のない中しっかり夏に追い込めたことは秋の追い込みのモチベーションアップに繋がりました。
ただやはり足を引っ張っているのは数学だったな。。
結果と反省
年明け前までの追い込みはココで終了。
あとは1月中旬のセンター試験を健康に迎えるだけとなりました。
個人的にセンター試験の足切りをかなり恐れいていたのでセンター試験対策に厚く時間を使った結果となりましたが、振り返ってみるとこれは基礎の再確認にもなる作業なので東大二次対策は勿論のこと、私大受験対策にもなります。
特に慶應は当時センター利用システムがなく個別に受験するしかなかった一方、わざわざ対策する時間もなかったので、この基礎固めにより慶應対策も兼ねられたように思います。
ただ国語を恐れるあまり時間を使いすぎた感もあり、その分数学等に充てられる時間が減ってしまったのは考え物です。
結果として合格したからいいものの、この辺りのさじ加減は自分の得意・不得意に合わせて調整してみてください。
センター試験直前期(~1月中旬)
年が明けてセンター試験2週間前を迎えました。
この時期にあがくことも重要ですが、とはいえ健康管理という側面からもなるべく身体に負担のかかるような追い込みは避けた方が無難です。
メリハリを持って時間を使い、しっかり寝るようにしてください。
十分な睡眠時間により、これまで蓄えた知識があるとき体系的に繋がったりします。
脳みその調整期間という位置づけで時間を使いましょう。
直前期に特筆してやった対策と言えば、英語のアクセント問題の対策と、気分転換がてら解いてみた慶應文学部と早稲田文学部の過去問でしょうか。
慶應文学部の英語は特徴的で2,000 wordsを超えるような長文1題が出題され、紙の辞書も持ち込み可能という形式。
記述の多い問題仕様なので東大二次試験対策とのシナジーがあります。
国語の代わりに小論文が課されるのが慶應の特徴ですが、文学部はオーソドックスなお題が出されるだけなので、特に東大以上の対策はする必要がないと思います。
自分なりに解答を作ってみて、答えと照らし合わせて大枠を外してないか確認するくらいで大丈夫です。
早稲田文学部は慶應と比較して割と選択式が多い印象です。
個人的には選択式しか出さない大学は嫌い(記述で書かせないで学生の何を測れるの?と思っている派)なので、記述の問題が多い慶應の方が好感度は上でした。
どちらとも受かりそうな感触は持てたので、東大に落ちたら慶應に行こうと思ったのをよく覚えています(笑)
受験スケジュールについて
東大受験をするにあたって、多くの人が私大を含めて複数の大学・学部を受験することになると思います。
個人的な受験戦略としては、自分の行きたい東大の学部・科類と同じ早慶の学部は併願した方が良いと思います。
例えば東大文二を受けるなら、慶應経済と早稲田政治経済は併願必須、あとはリスクヘッジとして慶應商や早稲田商も余裕があったら受けて、現役にこだわるなら上智経済や早稲田国際教養なども視野に入ってくるでしょうか。
僕の場合は東大文三(文学部志望)を第一志望にしたので、慶應文、早稲田文を第二志望群に据えました。
加えて臨海セミナー側から受験料援助もあったので、追加で上智文、慶應商、早稲田人間科学(センター利用)を追加で併願することにしました。
東大志望の学生の中では割と受けた方だと思います。
早慶上智及び東大のスケジュールは大まかに下記のような形で進んでいきますので、肩慣らしの意味も込めて日程の早い上智は受けてよかったなと思いました(臨海有難う)
1月上旬:私大願書提出
1月中旬:センター試験(共通テスト)
1月下旬:自己採点結果をもとに国立大願書提出
2月上旬:上智入試、東大足切り発表
2月中旬:センター利用発表(早稲田)、早慶入試
2月下旬:早慶上智合格発表、東大入試
3月上旬:東大合格発表
センター試験終了~私大受験(2月)
実は死ぬほど緊張したセンター試験。
最初の科目である日本史は心臓が張り裂けそうなくらいに緊張していました。
ただ1日目は文系科目続きということもあり、比較的解けた印象がありました。
自己採点は2日目が全て終わってからやろうと思ったので、その日はおとなしく寝ました。
さてその気になる2日目なのですが、数ⅡBが死ぬほど難しかった(笑)
どの大問も途中までしか解けず、紙をペラペラめくる音だけがこだましていました。
終わった瞬間に顔が青ざめたのを昨日のことのように思い出します。
翌日新聞に発表されていたセンター試験の解答と自分の問題用紙を恐る恐る突合してみたところ、こんな感じの結果でした。
合計761/900点(84.6%)
※国語:177/200
※数1A :90/100
※数2B :56/100
※英語 :182/200
※日本史:91/100
※地理 :76/100
※化学基礎:50/50
※生物基礎:39/50
(英語リスニング:44/50)
地味に絶対値で見ると、これまで受けてきたマーク模試を含めて自己ベストでした。
数学はお察しの通り壊滅しましたね。
翌日高校経由でセンターリサーチを出し、数日で結果が返ってきましたが、東大の足切りは免れそうなことと、早稲田のセンター利用の判定はBであることがわかり、すごいほっとしたのを覚えています。
1月下旬は私大受験対策と臨海の直前講習
センター試験の結果も割とマシで東大二次が見えてきた安心感もあり、残りは東大受験まで突っ走るだけでした。
センター試験の後1週間前後は僕の通っていた臨海セミナーの直前期講習が組まれていたので、そこで英数国社会の最終チェックを行いました。
結局部活動を引退した後も臨海では英語と日本史しか授業は取っていなかったのですが、今回は直前期ということで英・数・国・日・地理全て受講しました。
どれも基本的に1日限りの講習でしたが、直前期の再確認に繋がり非常に有意義でした。
この時期は最後の追い込み期間なのですが、できるだけ新規の問題集には手を付けず、これまで解いてきた東大二次試験の赤本の解き直しを行うようにしてください。
多くの人は一周しただけで解き直しはしていないと思いますが、この時期は特に自分の弱点をあぶり出して潰しておくことに徹するべきなので、少なくとも全科目間違えた個所くらいはチェックしておくようにしましょう。
時間の使い方のイメージとしては、英・数・国の解き直し>>日本史(私大でも使う社会科目)の解き直し>>地理の解き直し>私大の過去問2年分、という感じで使うと効率的だと思います。
2月は私大受験ラッシュ
そんな感じで時間を使った後、2月に入っていよいよ私大受験ラッシュとなります。
最初に僕が受けたのは上智大学の文学部史学科。
英・国・日が全問マーク式の問題で、特に日本史は重箱の隅をつつく系の問題が多く、過去問を1年解いた段階でイラつきました(笑)
ただ『一問一答』や『スピードマスター』といった基礎固めをかなりしつこく行っていたのもあり、つまずく個所はほぼありませんでした。
過去問を解いた段階で「8割方受かるだろう」と思っていましたが、本番も3科目解き終わった瞬間に「あ、受かったな」と思ったのをよく覚えています。
上智の合格発表は約10日後だったと思いますが、予想通り受かっていました。
この合格は地味にうれしくて、早慶上智と巷で呼ばれる一角から合格を貰えたことは何よりの精神安定剤になりましたね。
現役にこだわる人は特にですが、浪人覚悟の人も私大受験は一定程度考えておくと東大受験にもプラスの結果が出ると思います。
2月中旬に入ると早慶の入試が始まります。
僕の年は慶應商の翌日が早稲田文と連チャンだったのはつらかったですが、スケジュールと自分の志望学部の兼ね合いを見つつうまくスケジュールは組んでみましょう。
それから5日くらい空いて慶應文の入試でしたが、慶應文の試験が終わると同時に早稲田人間科学のセンター利用の合格発表がありました。
上智クリア、早稲田クリアときて、いよいよ東大合格発表の前日に慶應商と慶應文の合格発表。
無事早慶上智スタンプラリーを終え、満を持して東大入試に臨みます。
(早稲田文の合格発表は東大二次が終わった直後にありました)
2月末、いよいよ東大二次試験本番
僕の短かった受験勉強生活も集大成。
東大に落ちても行き先(慶應文)があったので、かなり心理的にはリラックスして臨むことができました。
1日目:①国語
駒場東大前の駅前で臨海の先生方の激励を受けた後、午前中は国語の試験。
150分と余裕のある試験時間だったので、大問の通りの順番で問題を解いていきました。
東大国語は現代文(論説)→古文→漢文→現代文(エッセイ)という構成であることが多く、だいたいの問題が傍線部の意味や説明をさせる形式となっています。
用意されている解答欄が大きくないので、文字を小さめに書いて2行で書くことが推奨されます(特に現代文)。
過去問で解いた通り、本番でも詰め込んできつきつの中書き殴りました(笑)
現代文は正直解き終わった感覚と結果が相関しないことが多いのでどうでもいいのですが、古文・漢文は明らかに解けた/解けないが分かりやすい科目だということは前にも説明しましたが、古漢に関しては割とできたような手ごたえがありました。
幸先は非常に良かったと思います。
1日目:②数学
センター試験同様に鬼門だったのが数学でした。
なぜなら40分前後で解き終わってしまったからです。
「え?どういうこと」とお思いですが、要は大問4つとも難しすぎて、途中式の段階で全部挫折してしまったんです(笑)
あとはペラペラと問題冊子をめくり、ポリポリと頭を掻いていました。
文系数学の場合1完はマスト、2完できたらアドバンテージが取れるというようなレベル感ですが、結果としては1完もできずに終了しました。
ただどれだけ数学ができない僕でもこの年の数学は難しかったように思いましたし、特に文三は数学が苦手な人が集まっているので、逆に難しい方が数学で差がつかないかもしれないと切り替えることにしました。
現にこの年の数学はかなり難しい部類に入ったようで、合格最低点が文三だけ著しく低かったです(笑)
1日目でどれだけポシャッたとしても2日目の地歴英語で十分挽回できます。
「諦めたら試合終了」というスラムダンクの安西先生の言葉じゃないですが、気持ちを切り替えておとなしく寝ましょう。
2日目:①地理・日本史
いよいよ最終日。
まずは地理歴史から試験が始まります。
時間は120分のうちに日本史/世界史/地理の中から2科目を選んで解答する形式。
時間配分は各自に任せられています。
僕は世界史を受けていない&日本史が得意という前提がありますが、日本史を40~50分で解き、残りを余裕を持って地理に充てるという戦略で臨みました。
日本史は大問4つ(古代・中世・近世・近代)、地理は大問3つ(テーマ別)という構成になっていることが普通なので、単純計算で日本史は各設問10分前後、地理は20分前後掛けられることになります。
日本史は概して古代と近代は解きやすい問題であることが多いです。
古代史で頻出なのは荘園制度→国司の徴税請負人化→守護地頭の台頭…という土地制度、遣唐使による中国との外交関係・文化受容の様相、神仏習合に代表される仏教や神道にまつわる思想宗教史あたりでしょうか。
多くの問題で型が決まっているので、比較的解きやすい傾向にあります。
近代に関しては何より1930年代以後の問題はほとんど出題されないので、範囲が絞りやすいことが解きやすいことに繋がっています。
というのも満州事変以後1945年までの敗戦は未だに歴史観が定まっていないうえ、刺激的な問題を出すと「日本の最高学府の東大が左翼or右翼に寄った問題を出した!」と外交上のトラブルに発生することがあると考えられるからです。
ある意味東大の入試問題というのは日本国家としての歴史観を代表するモノと見られてしまう恐れがあるので、センシティブな時代には触れないのが暗黙の了解となっています。
近代の問題でよく見るのは、日露関係史(日清戦争→三国干渉→日露戦争→韓国併合→第1~4次日露協約→ロシア革命)、自由民権運動や大同団結運動から国権論に繋がる思想の流れ、大正デモクラシー(憲政の常道、ラジオや雑誌の普及、女性の社会進出、全国水平社、民本主義、天皇機関説等)、1920年代の協調外交と海軍軍縮…この辺りでしょうか。
政党間の争いに代表される一般的な政治史というよりは、異国を絡めた外交史、文化思想史が多く出題されます。
中世と近世についてはとても範囲が広く、かつ問題がマニアックなので難度は相応に高いです。
守護地頭→在地領主→守護大名→守護代や家臣による下刻上で戦国大名が台頭→惣村による自治→織田信長の貫高制→豊臣秀吉の太閤検地→江戸時代の村請制…と続く土地制度・土地把握史に関しては非常にごちゃごちゃしているにも関わらず、東大が好きなトピックの一つです。
あとは支配体制という切り口で、御恩と奉公、寄親寄子制、城下町への集住、参勤交代、親藩・譜代・外様、大名普請…というようなトピックも好きです。
やはりここでも政治史というよりはもう少しミクロなテーマを好む傾向にあります。
というわけで比較的解きやすい古代や近代を先に解き切るようにしましょう。
地理については正直センター試験(共通テスト)レベルと問題の難易度は変わらないと思います。
東大なので記述式であることに変わりはないですが、地理は結局地球儀の上の環境情報からしか出題できないので、出せる問題が限られるわけです。
センター試験同様に地理はそこまで重くなく、効率的に点数を獲得していける科目なので、得点源にしていきましょう。
2日目:②英語
午後になり最後の科目である英語に臨みます。
英語は前の記事でも時間配分を書いた通り、基本的にはリスニング前までに英作文と空欄補充は完全に終わらせておき、リスニング後に長文読解、和訳、要約を仕上げる時間に充てるといいと思います。
手ごたえとしては正直なかったです。
特に和訳が難しく、120点のうち70点取れていたらマシかなという感じでした。
早慶上智の入試後の手ごたえは全て「受かったな」だったのですが、東大は正直落ちた気がしました。
「もう駒場の教室に来ることはないんだろうな」と少し寂しい気持ちで試験会場を出たのを思い出します(笑)
3月:東大合格
合格発表までは2週間ほどあったので、その後は狂ったように遊びました(笑)
友達とカラオケに行ったり、ボーリングにいったりして人並みの高校生らしい遊びをしながら、慶應文学部への入学金を振り込んで、慶應に行く準備を進めていました。
どちらにせよ早慶上智スタンプラリーに成功していたのは高校の中で僕だけだったので、だいぶ気分は良かったです(笑)
これまではある意味で「校内でそこそこ頭のいい奴」どまりでしたが、大学受験によって「社会的にも学力があることが承認された」のは個人的に大きな経験となりました。
まあ、東大は落ちただろうと思ってましたが。
というわけで卒業式も済ませて3月中旬に差し掛かろうとする頃。
当時東大は校舎が工事中だったのもあって、合格発表はネット経由での発表のみでした。
どうせ受けってるわけもないだろうと思って、塾に報告に行く道中である電車の中でサイトにアクセスしました。
自分の受験番号を探してみると….
あった!!!え!?あった!?!?
と困惑してつい電車を降りてしまいました(笑)
塾の先生方は喜んでくれたのは勿論のこと、高校に報告に行ったら学校を挙げてのお祭り騒ぎ。
合格体験記であったりの依頼が殺到して嬉しい悲鳴を上げていました。
東大に合格して分かったこと
1年前は想像もしなかった東大合格。
なぜもぎ取れることができたのかと言えば、正直結果論になってしまいます。
いくら一見良い戦略を立てたとしても不合格ならばプロセスは全て否定されてしまい、どんなにずさんな計画を立てていたとしても、合格したならそのプロセスは肯定されます。
結果が出ているうえで「ここが要因で受かった」というのはある意味ポジショントークになりますが、強いて言うならばより効率化して科目に時間を割り振ったことでしょうか。
ほぼ独学ベースで物事を進めるのに、戦略なき勉強は無意味です。
塾のカリキュラムはある程度の確度で設計されているので流れに任せているだけでもいいですが、独学では明確な指針がありません。
僕の場合は和田秀樹さんの書籍がベンチマークになりましたが、他にも受験にまつわる書籍はたくさん出ています。
何か一つ指針になるような書籍を見つけられるよう本屋をウロウロするところから始めてください。
勉強開始の時期については、高2の秋がギリギリだったと思います。
これより遅くなるとさすがに超進学校に属している等のアドバンテージがないと現役合格は難しい気がします。
部活動であったり高校の雰囲気であったりにもよりますが、高1の段階から受験勉強を始めていけるとかなり良いと思います。
勿論高校の数ⅡB等は高2にならないと授業のカリキュラム上は始まりませんが、どんどん先取りしていけるならそれに越したことはありません。
弱小高校から東大を目指すあなたへ
最後は自己啓発になりますが、東大は目指さないと合格できません。
東大を諦めた時点で試合終了です。
これは入学後に分かったことではありますが、特に文三には地方のマイナーな高校から東大合格をもぎ取った人も多く存在します。
確かに開成・灘・筑駒といった超絶名門校出身の人は多いものの、地方出身者やマイナー高校出身者がゼロというわけではありません。
彼ら・彼女らに共通して言えることは「周りに流されずコツコツ勉強を重ねていた」ということです。
みんな口をそろえて「受験勉強の雰囲気が周りになくてつらかったけれど、自分の姿勢を貫いて勉強はやってた」と言っていたのが印象的です。
だからこそ皆さんはコツコツと努力を続けてください。
東大に合格できるかはわかりませんが、例えば早慶上智といった今いる自分の環境より一段あがった進路への道が開けると思います。
受験勉強については随時コラムを書いていこうと思うので、乞うご期待!